池澤夏樹

スティル・ライフ/中央公論社
 小説(純文学?)。確かこれが池澤氏のデビュー作。
 物静かで風変わりな知人と、物静かで風変わりな同居をすることになった青年が、淡々と日常をつづっていく。
 他に短編を収録。この短編は、「ヤー・チャイカ」という言葉に少しでも覚えがある人に特におすすめ。(ヒント・「私はカモメ」....ヒントになってませんね)
バビロンに行きて歌え/新潮文庫
 小説。中東で銃を握っていた青年が、逃れるために日本にやってくる。密入国した彼が自分の居場所を確保するまで、流浪の日々に会った人々との記録。さて、バビロンとは?



石持浅海

顔のない敵/光文社KAPPA NOVELS
 対人地雷をテーマにした短編推理小説集。問題提起から解決まで淡々と話が進み、地味な印象を受けるが、着眼点が面白い。現実の対人地雷そのものに関する国際的な取り組みや問題点についても適切に解説が入っていてわかりやすい。おすすめ。(2006.10.16)