雨柳堂夢咄
波津彬子/朝日ソノラマ



 多分少女マンガ。(ホラーじゃないしファンタジーでもないし…)
 時代は少し昔。雨柳堂は主とその孫である蓮の二人でやっている骨董屋である。物の「気」を感じることのできる蓮をめぐって、大小さまざまの事件が起こる。
 奏者を選ぶ笛、絵から抜け出た椿の精、そこにいない人を映す鏡台、海へ行方不明になった雛人形。関わった人々の思いを受けて、物にもいつか心が宿る。闇が現在よりも深かった時代の数々の不思議を携えて。
 今は骨董がブームだそうです。金額や名前につられて物そのものを見ない人もいますが、それはとてももったいない話。骨董に限らず、気に入った物とは、長く一緒にいたいものです。このお話にでてくる「もの」たちのように、おしゃべりされたら…ちょっと困りますが。
 2002年2月現在8巻まで、以下続刊。