あさきゆめみし
大和和紀/講談社



 お世話になりました(ぺこり)。何がって古典の授業。この世に源氏物語が存在し、古典の授業で取り扱われている限り、このマンガもおそらくは不滅でしょう。
 原作は元々1000年読み継がれた小説であり、世界に誇れる作品であることは間違いないが、このマンガはけっして原作に負けていないと思う。原作に一貫して流れる雅、そして仏教の無常観は少しも損なわれていない。10巻はことに圧巻だった。最愛の人・紫の上を亡くした源氏。巻名だけ存在して実在しない原作、源氏死亡の巻「雲隠」はこうもあろうかと納得すら覚える。
 資料のないもの、実物が現存しないものや、書かれたものが何なのか不明な個所なども多く、作画には苦労されたとのこと。13巻描き切ってくださってありがとうという感じである。