歌姫たちの宴 Vol.1

01/03/04 渋谷ON AIR EAST Open17:25 Start18:30 End??:??
出演:新居昭乃(Vo,Key)、平松愛理(Vo,Key)、野口郁子(Co)、細見魚(Key)、内田Ken太郎(B)、田中徹(Dr)、ラテ ゲン(?)(Per)、馬場一嘉(G)



曲目

  1. アイスもなか
    • MC
  2. 待ってもいいよ
  3. 部屋とYシャツと私
    • MC
  4. 友情
    • (昭乃さん登場)
  5. You are ours
    • MC
  6. 母と子のクリスマスイヴ
    • MC
  7. オー・エス・プリズ・デ・USABARA
  8. あなたに出会えてよかった
    • MC
  9. 虹がキライ
    • MC(平松さん退場)
  10. きれいな感情
    • MC
  11. 鉱石ラジオ
    • MC
  12. 花のかたち
  13. ガレキの楽園
    • MC
  14. フォロー・ミー
  15. Reve
    • MC
  16. 降るプラチナ
    • MC(平松さん登場)
  17. 花かんむり
    • MC
  18. 人間の子供
    • MC
  19. 美しい星



 何がどうなってこうなったんだの顔合わせ、昭乃さんと平松さんのジョイントライブです。私は平松さんのお名前は存じ上げていましたが、曲は1曲だけしか知らなかったので、どんな曲が聞けるのか楽しみに会場に向かいました。ジョイントということは、「出演者を知らないファンがいる」ということは前提。とすると、予備知識なしでも楽しめるステージになるのは必定です。結論を先に言うと、期待は裏切られませんでした〜。

 開演は当初の予定より30分ほど遅れました。ライトが暗転し、まずパーカッションのラテ ゲンさん(元オルケスタ・デ・ラルスの大儀見元さんだと思いますが、この日名乗られていたお名前が正確にわかりません。すみません。もしかしたら聞き間違いがあるかも…)とギターの馬場さん、続けて平松さんが登場。髪に黄色・オレンジ色系統の花冠をかざり、同系統の色合いのジャケットと靴、クリームに小さい花のラインが横に入ったロングスカートという格好です。まずはキーボードの前に座って1曲目「アイスもなか」。ポップな感じで聞きやすく、ライブの空間にすっと入っていける曲です。

 続いてのMCでは「何故一緒にライブをやることになったか」の説明がありました。「突然昭乃さんから話をいただいて、ライブやるんだけど一緒にやらない?(昭乃さんの真似をしながら)って」…要するに昭乃さんが平松さんをナンパなさったということのようです。聞いたときはコーラスのつもりでいたのに、昭乃さんは平松さんが一人でやるんだとおっしゃったとか。なんか状況が目に浮かぶようです。

 この時点でステージ上にいらしたメンバーの紹介がありました。ラテゲンさんの経歴と馬場さんの活動状況で盛り上がったあと引き続き平松さんのMC。「私でよかったんでしょうか。昭乃さんだったら遊佐未森さんとか、「あ〜」(と高めの声をだして)っていう感じの声が…」という平松さんに会場から拍手がありました。良いですとも! 少なくとも私は楽しいですわ〜。

 引き続き2曲目3曲目もKeyの前に陣取った平松さん。1曲だけ知っていた「部屋とYシャツと私」をやってもらえて嬉しかったです。この後のMC昭乃さんを「アニメ界のカリスマ」、野口郁子さんを「CM界のカリスマ」と評し、ご自身のCMの仕事暦を披露してくださったんですが、これが楽しかったです。「サイ」という飲み物のCMでナレーションを担当されたとき、この商品名をひたっすら繰り返して言わされて、途中の会話で返事をするときに「はい」じゃなくて「さい」と言ってしまったとか、あと同じくCMで、「ハトのマークの」という言葉を言わされたとき、監督さんにつけられた注文の話。「アンアンじゃなくてノンノ」「マスカットじゃなくて巨峰」…わからん。これにちゃんと応えた平松さんはえらいです。数十秒の世界にこんな苦労が…と、笑いつつも感心してしまいました。

 立ち上がって鈴を手にされた平松さん、4曲目5曲目と続けて歌われます。この5曲目の前にメンバー入れ替えがあり、昭乃さんのライブでよくお見かけする面子がそろいました。でもまだ昭乃さんは登場されず、次かな〜と思いながら見ていたところ、曲の途中で昭乃さんが登場されました。そのままお二人でヴォーカルを取られ、会場が沸きます。昭乃さんは白の上下でロングスカート、インナーは赤。厚底のデッキシューズに薄茶の髪と、ラフな印象の衣装です。先週の梅田とほぼ同じでした。

 簡単にメンバーの名前を紹介された後、お二人で次の曲の解説。10年前にデュエットされた曲だそうですが、これをレコーディングしたときのお話がありました。昭乃さんが食事のメニューを聞かれたとき(出前か何かだったのかな?)「自分で作って食べます」と言って帰ってしまったというエピソードが大変笑えました。「作物から作ってるような勢いで」というのは平松さんの弁。で、そのときに作った曲。「昨日ひな祭りだったのに、デュエットがこれだけ」ということで、「母と子のクリスマスイヴ」。クリスマスの曲ですね。お二人とも舞台前面に出てヴォーカルを取られました〜。

 次の曲の入っている平松さんのアルバム「Usa-Bara」のお話の後、またお二人でデュエット。これはお二人ともとってもかわいい印象でした。続いて平松さんがKeyに移られ、昭乃さんが椅子へ。今度はゆったりした曲調で、緩急つけた呼吸はお見事です。

 次の「虹がキライ」も平松さんの曲で、昭乃さんのリクエストだそうです。1ヶ月ほど何かの番組(何かはメモを取り忘れてます…何だろう)のエンディングで流れていたそうです。「TVで見ていて良い曲だと思っていて、生で聴きたいなーと」という昭乃さんの主張が通り、平松さんがヴォーカル、昭乃さんがコーラスでした。平松さんは昭乃さんが歌うよう頼まれたとのことでしたが ^_^;) でも昭乃さんのコーラスは声の配置(っていうのかバランスというのか)が良かったと思います。

 平松さんの歌はここまででしたが、舞台セッティングのため俄かにトークコーナーになりました。なんと平松さんは、昭乃さんがアマチュアの頃にヤマハで作ったデモテープをお持ちでいらっしゃるそうです。う、うらやましい…。平松さんが上京されたとき、九州出身のお友達から聞かされて、テープをもらったとか。昭乃さんが曰く「回収します」。平松さん曰く「あげません」。ぜひ死守してください ^_^;) あと過去に「みかんちゃん」名義で仕事されていた昭乃さんと平松さんの話で、平松さんが村上ポンタ秀一さんに「みかんちゃん」と呼ばれていたことが判明しました。人違い? ^_^;) 「話す時間軸が似てるかも」と昭乃さん。…そうかも ^_^;) 他には、この日のメンバーの田中徹さんや坂元さんと以前に仕事されていたときの話などが出ていました。アーティストの人脈って、聞いてる側の思わぬところでつながってたりするんですね〜。

 ここで平松さんが退場され、昭乃さんコーナーとなりました。最初は5月に出るアルバム「鉱石ラジオ」から「きれいな感情」。静かなすべりだしです。先週の梅田では歌詞をろくに聞いていなかったので、この日は一生懸命聞きました。なんだか切ない、それでいて手が触れる距離に人がいる感触の詞でした。次のMCは曲のタイトルにもなった鉱石ラジオの話題。「鉱石ラジオを知ってますか」という昭乃さんの問いに会場から拍手が。「大阪では3人くらいだったのに、さすが東京」とタンバリンを手に取りつつ昭乃さん。「不思議なものが聞けるような気がしてた」という思いから作った「鉱石アルバム」。ポップな曲ですが、どこか懐かしい状況を思い出す歌詞で、私これすごく好きです。

 MCの後マイクを手に取られ、「花のかたち」と「ガレキの楽園」を続けて。次の曲は「フォロー・ミー」です。「私には珍しく軽快」と苦笑されながらおっしゃるところによると、ミア・ファローの映画からイメージして作られたそうです。恋愛映画で、旦那さんとの仲を修復するべく奮闘した奥さんが、最後に私の後についてらっしゃいという感じになるという映画だそうな。確かにちょっと勇ましい感じのする曲ですね。続けて「Reve」が来ると、もう盛り上がる盛り上がる。昭乃さんのライブで立つ人がいるのってここらへんくらいですね。

 ここでメンバー紹介。郁子さんと細見さん田中さん堀越さんときて内田さん。既に定番の「宣伝攻撃」(内田さん談)、怒涛のようにアルバムとライブの告知をなさっておられました。最後に坂元さんでした。この後昭乃さんがキーボードの前に移られたのですが、セッティングが違っていたらしく、「降るプラチナです」とおっしゃってからキーを抑えたとたんびよやんという音が。「いや〜ん」という言葉が思わず出てしまった昭乃さん ^_^;) なんか色っぽくてかわいかったって言っても良いでしょうか〜。再セッティングの後はつつがなく演奏。何回聞いても泣けるんですがこれ…。

 平松さんが再登場されました。ここからはお二人の歌です。でねでねっ、もうラインナップが意外性のきわみで幸せでねー! 子供返りかつミーハーに喜び倒しましたわよ! なんてったって「Flower Crown」! うわー信じられない〜幸せ〜。平松さんが「良いのかな」とまた気にされてましたが、良いんです私が幸せだから(断言)。デュエットというのが意外と大きなファクターになる曲だと思うのです。

 ここで他のメンバーの皆様が全員退場されました。昭乃さんが曲のタイトル「人間の子供」を告げたとき、客席から「おおっ」と声が。これもデュエットで、お二人の声質の違いがうまくかみ合った感じでした。

 で、この日最後の意外と幸せ。最後の曲。なんだかしみじみ語り合わせるお二人。「さっき言ったヤマハのテープに入ってた曲」で、これを聞くと東京に来たばかりの頃のこととか、不安だったこととかを思い出すという平松さん。そう、「美しい星」です。あう、信じられない…。「死ぬなら今が良いな〜」と思いながら曲を堪能できることって、めったにないですううう。しあわせ〜。客席の拍手が力入ってました。

 不埒にも「アンコールがあったらこの気分が壊れる」なんぞと思ってしまったのですが、本当にアンコールがありませんでした。でもほんっとーに幸せな気分で帰途につきました。この企画は、1回目とタイトルについてる以上2回目以降があるんでしょう。また意外性のある組み合わせを期待しています。




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