個人的には、某ZABADAKから上野洋子さんが脱退されたときに次ぐ衝撃でございました。「101人コンサートスペシャルFINAL」。…ファイナル。ファイナルですわよ信じられまして!? ファイナルってことは終わりよ最後よ最終回よ後がないのよ! ああ人生の楽しみが一つ減る…。…と大袈裟に慌ててしまいましたのも、最初に青山円形の案内葉書が来たとき、「スペシャルのファイナル」ではなく「101人コンサートのファイナル」と読み間違えた(一瞬でしたが)というのが一番大きな理由ではあるのですが ^_^;) 一抹の寂しさを感じさせることは否めません。今までそれなりにたくさんのホールで、たくさんの人のコンサートを見ましたが、この谷山さんの企画コンサートほど心からくつろぎつつ楽しめるものはなかったと思います。寂しいよう。あう〜。
けれども会場に到着し、アンケートに自動書記さながらの文字列(開始前に書くことは大体近況報告めいたものですが、終了後に書くことなんてほとんど脊髄反射で、用紙を出した瞬間何書いたか忘れてたり…)を書き入れはじめたら、期待感が寂しさを凌駕してくれました。青山のこの座り心地の悪い椅子ともしばしのお別れね、なんて思ってましたら、客電落ちて最初の曲が「椅子」で、なんだか笑ってしまった。笑うような曲じゃないんですけど ^_^;) おかげで気持ちを切り替えて、目の前のコンサートを楽しもうという気分になれました。
最初のMCでは「何故ファイナルなのか」のお話がありました。青山円形でちょうど10回目になるので区切りだの意味を込めてFINALだということ。今回はCプログラム以外特にテーマを定めず、谷山さんのお好きな曲を選んで構成されるということで、会場もリラックスした雰囲気に。
初日のためか谷山さんも少々緊張気味で、夜会の女優さんモードから戻るために数曲費やした感じでした。けれども「冷たい水」あたりから調子を取り戻された感じで、特に「再会」の演奏がとても情熱的な感じで、聞きなれているはずの曲なのに新たな魅力を発見しました。
ここからゲスト様登場。田代さんのギターワークもさることながら、旭さんの演奏される笛もとても魅力的。やわらかいあたたかい音質で、笛ってこんな音がするものなんだ〜、などと感心することしきり。リコーダーとバーンパイプ、フルートが数種類と、特筆はオカリナ。お子様向けの楽器と思いきや(失礼)、なんてきれいな音を出すんだろうと感動…。田代さんも「カンテレ」という珍しい弦楽器(フィンランドの楽器だそうです)を披露してくださいました。板の上の弦を直接指ではじいて、高く澄んだきれいな音を出します。
つつがなく3曲演奏のあと。この日の最大のハプニングはここでした。「雨になりたい」の次のMCで昨年末に参加された夜会のことに触れ、「これまで歌詞は覚えるものだと思っていなかったのに、夜会では全曲覚えなくてはいけなくて大変だった」とおっしゃったのに会場がわいた…次の曲、「満月ポトフー」。サビの入りを思いっきり間違えるというハプニングがありました。話題が話題だっただけに、笑いをこらえるのが大変でした。ごめんなさい。
14〜16曲目は「照明特集」。歴代の青山円形劇場の公演で、円形ならではのたくさんのすばらしい照明が見られましたが、そのうち特にお客さんの評判が良かったものを3曲続けてやってくれました。「夜のブランコ」の、女性の妄執を表すような赤。「海の時間」ではドアを開け放ち、真っ青な、まさに海の底から空を見上げるような鮮烈な青の照明。「おやすみ」で星が輝けば、そこは別世界です。うっとり…。
―――でも、余韻に浸ろうと思っても、そうは問屋がおろさない。出演者様の退場に際してまたしてもトラブルが ^_^;) 照明が暗い間に、殿方3名様が退場されてから谷山さん退場という段取りだったのに、殿方が全員忘れ去っていて、しかたなく谷山さんが最初に退場して行かれました ^_^;) アンコール前のMCで判明。拍手と暗闇の雰囲気の中を退場するのに、どうして谷山さんはこんなに戸惑った顔をなさってるんだろうと不思議だったんですが、なるほどそういうわけでしたか ^_^;) 爆笑してしまいました。
けれども最後はきっちりと、気持ちを切り替えて「SORAMIMI」。最後のスペシャルの幕開けとして、もしかしたらとっても似つかわしい、ハプニング満載の上演を締めくくってくれました。