谷山浩子 101人コンサートスペシャルFINAL Cプログラム(三日目)

01/02/14 青山円形劇場 Open18:30 Start19:00 End21:00
出演:谷山浩子(Vo,Pf)、石井AQ(シンセ)、斎藤ネコ(Vi)



曲目

  1. そっくり人形展覧会
  2. 穀物の雨が降る
  3. 不眠の力
  4. 夕焼けリンゴ
  5. 時計館の殺人
  6. 白い帽子
  7. 誕生
  8. 月日の鏡
  9. SORAMIMI
  10. おやすみ

アンコール

  1. ドッペル玄関



さがせコーナーの質問

スペシャルさんを探せ!!

  1. クジや抽選の一番上に当たったことがある
  2. 一週間以内に特上と名のつくものを食べた
  3. 四つ葉のクローバーを見つけたことがある
  4. スカウトされたことがある
  5. 自宅に地下室がある
  6. 今日がバースデーまたは結婚記念日
  7. チョコをあげたことまたはもらったことが1回だけしかない
  8. 名字か名前に「とく」が入っている
  9. 救急車かパトカーに乗ったことがある
  10. 「Special」と書ける

珍しくない人を探せ!

  1. 仕事がコンピュータ関係
  2. 年齢が30代
  3. 普段眼鏡をかけている
  4. 髪にパーマ・カラー、マニキュアをしていない
  5. 全プログラムに1回以上来た
  6. 斎藤ネコさんと石井AQさんの本名を言える
  7. パンフとマグカップとフリースを全部買った
  8. 中島みゆきさんまたは岩男潤子さんのファン
  9. リクエスト曲を決めてきている(収録されていない曲)
  10. すでにアンケートが書いてある



 毎日佳境の大博打企画、最終日。2曲目から10曲目までがリクエストです。リクエストを取るのに時間がかかる為、どうしても曲数が少なくなりがちなのですが、それだけに参戦するファンの意気込みが開始前から会場中にみなぎっています。ましてファイナルのリクエスト最終日、いが上にも高まる闘志と熱気。谷山さんのコンサートにはあんまり似つかわしくない熟語が、この時ばかりは頭をよぎります。

 1曲目を聞いた瞬間、笑いがこみあげたのは私だけではないはず。会場に増殖また大増殖で蔓延るAQ(小)もといラーメン天使。とうとうAQさんご本人までも、大量のラーメン天使をシンセの周りに飾ってしまわれました。オールリクエスト以外のコンサートでこんな舞台小道具を使われたら、きっとそぐわないでしょうね ^_^;) しんみりした曲が一切できなくなりますし。オーチャードあたりだったらきっと増殖しない(というか思いつくことすらない)様な気がする。

 この日はバレンタインデーでした。谷山さんがヤマをかけた曲をリクエストするとチョコレートをプレゼントという企画がありました。全部で6曲。でもあの膨大な曲数から6曲って、結構当たらないような気がする…で、結局当たった方いらっしゃらなかったんですけど ^_^;) こう考えるとヤマが当たることが多い(様な気がする)照明さんってすごい。

 最初のリクエストは、「カメラ・テープレコーダーを入り口で預けた人」。正直者が得をしました。「穀物の雨が降る」、照明さんに説明して谷山さんの曰く「トカゲと穀物の歌」…まんまですね。渋谷の109の前をイメージしたとコメントがありました。間奏でAQさんが咳払い、あれはアドリブだったんでしょうか。続いてくじ引き。D37「時計館の殺人」、E18「夕焼けリンゴ」、G24「不眠の力」のリクエスト。なかなかディープなリクエストだな、と思ってたら…時計館が。すごかったですネコさん。歌のイメージの止まらない時計、不条理と暴走を余すところなく体現なさったぶっちぎり加減。どこかに行ってしまう一歩手前でぎりぎり踏みとどまっているような、手に汗握る演奏でした。終わって客席一同、どっとため息と拍手。谷山さんも「コンサート終わらせてどうする」と、苦笑しつつも賞賛されていました。

 続けて探せシリーズ、まずは「スペシャルな人を探せ」。これはなかなか該当者が出ず、最高が7個でした。スペシャルな人ですものね。外れたのは地下室、バースデー、名前だそうです。リクエストは「白い帽子」。知らない曲だと思ったら、これは「幻想文庫」の企画の曲で、後で別歌詞で「真昼の光は嘘をつく」になった曲だとのこと。歌詞カードとにらめっこしていた谷山さん、「結構良い詞じゃん」と一言。曲はあまり変わらないので、危なげない演奏でした。けれどもネコさんは、「譜面があるのに譜面と違う」と。谷山さん、演奏しながら編曲なさってたんでしょうか ^_^;)

 次も探せシリーズで、「珍しくない人をさがせ」。だったのですが。珍しくなさすぎました。10個該当の方がそれは大勢いらっしゃったので、流れてしまいました〜。「市場調査とします」と宣言があり、急遽くじ引きに変更。B16「誕生」、C47「月日の鏡」、B05「窓」。「誕生」は私の知らない曲だったのですが、どこかのコーラスグループに提供なさった曲で、CD化されていないのだそうです。これは谷山さんも少々自信がなかったようで、リハーサルしてからの演奏でした。「窓」ではネコさんにトラブルが。譜面を用意なさっていたようだったのに、曲が始まってから慌ててコードを書き取りされていました。譜面の「窓」と「街」を間違われたそうです ^_^;)

 じゃんけんは一発で決まりました。最後に立っていたのが見事にすぱっとお一人で、谷山さんが「じゃんけん女王」と命名なさいました。曲は「SORAMIMI」、照明がとってもカッコ良かった…。で、結局冒頭の谷山さんのヤマに当たった人がいなかったため、ここでもう一度全員じゃんけんと相成りました。勝ち抜いた6名様が、谷山さん手ずからのチョコレートをゲットとあって、客席は改めて白熱。私は実はチョコレートがとっても苦手なんですが、じゃんけん参加しました ^_^;) けれども最後まで残ったのは全員男性。7名残ったところで、ここで一人外すのは忍びないということで、お一人はラーメン天使を進呈されていました。

 最後の「おやすみ」は、「身近な人、あえないけれど大切な人をそれぞれに思い浮かべながら聞いてください」という谷山さんのことばにじーんと…。それでも当たらなかった悔しさをアンコールの手拍子で打ち払いつつ、Cプログラムを最後まで堪能させてもらいました。

 当たらなければ当たらないなりに、はらはらしながら、または感心しながら、周りの人たちと一緒に心から楽しめます。「コンサートに行く」ではなく「コンサートに参加する」と言える、この企画は本当に貴重です。101人スペシャルという形でなくても、またいつかオールリクエストをやってくれるといいな。

 会場を出たら雪でした。ホワイトバレンタイン、というのでしょうか。美しかったですわ〜。寒くて吐く息も白かったけれど、心はカイロのようでした。ほかほか。




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