関東から有給とって行って参りました。右京ふれあい文化会館は、このコンサートの直前、9月中旬にオープンしたばかりの新しいホールです。花園駅から歩いて5分ほど、周りをぐるりと小さな川が囲んで、自動車どおりが多い割に静かな印象の立地条件。ふと視線をめぐらすと、なぜか敷地内と思しき場所にお墓があってびっくりしました。建物自体も円柱形で、ロビーやホールはこの円の曲線を生かした形で設計されています。ロビーにはこの付近の遺跡で発掘された土器や住居跡の写真が展示され、京都ならではという感じでした。
肝心のホールですが、音響がとてもよかったです。「ふれあい」という名前の通り、あまり大きくないホールで(座席が20列くらいかな?)、前後左右から音が反響する感じがします。ノック式のボールペンを持参して行ったところ、このノックの音すら響きました。谷山さんはこの日、淡いオレンジのカーディガンに白黒のインナーというお召し物。1曲目の「窓」で、ピアノと歌声がきれいに天井に反響して、耳にとても心地よく感じました。
コンサートのタイトルが「文化事業」。谷山さんも「文化事業だったんですね〜」とおっしゃっていましたが、音響と寒色系の照明ワークのためか、普段のホールコンサートよりちょっとだけ固めの雰囲気でした。谷山さんは京都は4年ぶりだそうです。「濃いリスナーで無い人にも親切な、閉じた世界ではない選曲」というラインナップ。リクエストコーナー以外は全て先週の田浦101人と同じなのですが、「同じ曲でも音響次第で印象が違う」と認識することとなりました。
お声の調子もよさそうで、「うさぎ」から「MAY」へと、照明もピンクから青へとさわやかな感じでした。「MAY」は谷山さんが18才の時の初恋の歌だという話が披露されました。続いてマイナー「の」曲(マイナー「な」ではなく!)として、「まっくら森の歌」。背景に暗幕が下ろされて、本当にまっくらになる中、シンプルなピアノが引き立ちます。続けて「子守唄」、これも暗めの照明でしたが、ラストでほんのりと緑色がともってとてもきれいでした。
続いてリクエストコーナー。今日誕生日の人と、「ふれあい」「右京」「会館」に50音順で名前が近い人。「右京」に近かった人のリクエストを聞いて、谷山さんのお顔が一瞬凍りました。客席からもどよめきが。「あたしの恋人」。「ほんとに聞きたいですか?」と念を押されたお気持ちはなんとなくわかりますが ^_^;) 全員からリクエストを取り終わって、ピアノの前で歌詞カードを見ながら谷山さん曰く、「落ちて来たけど死ななかったんだからいいか」。テロの余韻冷め遣らぬ時期です。「穀物の雨が降る」とか大惨事シリーズとか、壊れたり落ちたり息絶えたりという歌は多いので、気を使うと選ぶのが大変そう ^_^;)
テングサはやっぱり皆さん楽しそうでした。掛け声をかけるように促した谷山さん、MCで「いきなり叫ぶと恥ずかしいでしょう。手拍子やってもらえばよかった」とのことでした。ここでAQさんが登場。ご当地仕様帽子は「松茸」と「花園」(ミニ花束)でした。かわいらしかった ^_^;) と思います。シンセも加わると、音が天井から跳ね返ってさらに床で反射しているようでした。「ひとりでお帰り」は、先月出たベスト版に入っていないため、AQさん「Memoriesには入ってます」。谷山さん「銀の記憶にも。それがオリジナルですが」と宣伝。
「会いたくて」「さよならのかわりに」に続いたMCでは、三国志のお話がありました。ブームが続いておられます。さらに中国語ブームにも言及されまして、前回田浦より長い挨拶を聞かせてくださいました〜。日々進歩です。すごいです。昨日ホテルで練習なさったとか ^_^;) この後は、「3曲代表曲をやります。またかと思わないでね」、思いませんとも。どれも好きです。
「金曜の夜にこのコンサートを選んでくれてありがとう」という挨拶のあと、最後は「月見て跳ねる」。「情熱的な恋の歌です」とのことですが、言われてみるとそうかな〜、という感じです。私はこの歌、美少女が月(というか月読)に片思いしてるという、なんだかおかしなイメージで聞いてしまうのです ^_^;) 「長くコンサートをしていないと選曲のカンが鈍るみたいで、この曲が最後で良いのかな」という谷山さん。オールリクエストに行きまくった身としては、これは締めにぴったりだと信じて疑いません ^_^;)
舞台袖に引かれた谷山さんを追って、割れんばかりのアンコールの手拍子。再登場された谷山さん、「拍手が響いて、カーネギーホールのよう」と嬉しそうです。最後の曲は、「幸せな人もそうじゃない人も、前向きになれる曲をやります」と「小さな魚」。疲れた心と体に染み渡りました〜。