新宿スペースゼロは「幻想図書館」で馴染みの会場。青山円形スペシャルに代わる新企画、いずれにしても普通の形式ではないと思いましたが、会場に入ってびっくり。ステージ上にも座席が。演奏者を四方から取り囲む形で、四角いリングのようなステージ。先行予約は問答無用で舞台の向かいの席―――要するに通常のシートになりますが、舞台の上楽しそうです〜。普通は絶対あがらない場所ですし。一回座ってみたいなあ。
谷山さんは白地のタートルネックと同じ柄のカーディガン、グレー系のチェックのロングスカートという姿でご登場。ちょっと緊張されているご様子でしたが、ピアノの素朴な音の良く似合う「MAY」でつかみはOK。スペースゼロは舞台まで階段があってどきどきするので、暗示で緊張している感じ…ってなんとなくわかります。でもここで登場されたAQさんとともに、すぐに演奏に集中するお姿はさすが。
岡崎さんはチェックのブラウスでご登場。次の2曲は「倫典さんのイメージで選んだ」とのことで、ギターが泣かせに入っていてすごかった。はじめからこんなで良いのかしら、と思いましたが良いに決まってますね。続いて「何てことするんだシリーズ」の2曲、どちらかというとてんぷらは「何てことするんだ」というより「いったい何してるの?」という感じなんですが ^_^;) 不眠の力のラストのギター、余韻が迫ってきてものすごくこわかったです。
MCははやっていることもあってか「風邪の予防について」。体が資本のミュージシャンの皆様、喉に良い飲み物など秘策を聞かせてくださいます。トークの相手をさせる谷山さん、「餌食探し」ってちょっとひどいです ^_^;) それと最近谷山さんの作られた同好会の話。演劇にはまっておられるそうで、「観劇部」なるものが存在するそうです。会員は谷山さんとAQさん? おかかえエンジニアさんもかな? 続く3曲は「に」が最後に着く曲。なんだかしっとりしんみりした曲が多く、特に「河のほとりに」はまたしても泣かせるギターの効果が…。「鳥は鳥に」は合唱してほしいなーとちらっと思ってしまいました。
続いて都会の夜景をテーマにした曲。今日の選曲はどうしちゃったんだろう、とちょっとほろほろ来ました。あのネオンの下には百万人が渦巻いてにぎやかなはずなのに、夜景ってほんとに遠くから見てると何かこみ上げてくるものがあります。それが心象風景だとひときわ美しいので…。曲が終わって現実に戻ってくるのにちょっとタイムラグがありました。
漢字2文字の曲コーナーでは新曲が。FMシアターのラジオドラマのエンディングで流れた曲で、「神様」というそうです。ぱっと聴いた感じでは「ひとりでお帰り」に近い印象でしょうか。「再会」「約束」と来て、ああ今日はもう、ほんとに私を泣かせるためのラインナップなのねとはらが座ったと言いますか…。約束では舞台上客席後方からライトが照らされて後光がさしているかのようで見とれてしまいました。「Aプロは人に会えない曲が多い」と締めに入る谷山さん。最後もやっぱり会えない歌で、胸に迫るものを覚えつつ本編終了。
アンコールの拍手から再登場までが少し長かったのですが、岡崎さんのおめしかえのためのようでした。オレンジ色のシャツは、前の日に着替えるお約束をなさってたのかな? 客席からおお、と歓声が。最後の最後も、やっぱり遠い歌で締め。「星より遠い」。心からため息をついての終了。自動書記まがいのアンケート記入でもおさまらず、心の隅に遠い人たちの面影をちらほら抱えながらの帰宅と相成りました。