谷山浩子 猫森集会 Cプログラム1日目

02/11/07 新宿スペースゼロ Open??:?? Start19:10 End21:20
出演:谷山浩子(Vo,Pf), 石井AQ(Syn), 斎藤ネコ(Vi)



曲目

  1. 悲しみの時計少女
  2. 今日は雨降り
  3. 流星少年
  4. 時の少女
  5. ここにいるよ
  6. ハサミトギを追いかけて
  7. 風のたてがみ
  8. 銀河系はやっぱりまわってる
  9. 雲雀
  10. 永遠のたそがれ
  11. ポプラ・ポプラ
  12. ガラスの巨人
  13. そっくりハウス

アンコール

  1. SAKANA-GIRL



 風邪を引いてしまったのですよ。よりによってこの前の日に。幸いと申しますか咳があまり出なかったので、残る熱と鼻と喉の痛みを浅田飴の助力を仰ぎつつ排除してコンサートに臨みました。だってねえ、この日のチケットを持っていて、病欠するなんて私に出来るはずがないでしょう!? 今年も来たわよオールリクエスト! 待ってなさいスペースゼロ!! …前日からこのテンションだったことは認める。熱で理性が飛んだのか、理性が飛んだから風邪引いたのか。

 オールリクエストといえばネコさん、お待ちしていましたー。ネコさんのほかの人はどなたもこの企画のゲストを引き受けないとかで、それはそうだろうと思います ^_^;) 求められるのは腕もさることながら、舞台度胸と臨機応変さ。ゲストとして谷山さんとAQさんと息を合わせつつ、プロとして聞くに堪える演奏をしなくてはならないとなれば、引き受けるネコさんの偉大さがわかろうというもの。この日最初のリクエストはお誕生日の方からで2名様すんなり決まりました。けれど最初の曲は譜面がなく、コード進行を演奏を聞きながら書き取るネコさんの姿が見られました。「歌詞カードがない」と谷山さんが呟くとき、客席の期待の視線がネコさんに向かうのは無理からぬところ。名人芸ですわね〜。「流星少年」は打ち込みもあり、安心して聞ける…と思いきや、ネコさん白熱の演奏。「ネコさんは終わっちゃいましたね」とMCで言われるほど。最初からこんなに飛ばしてていいのかしら。

 円形劇場のくじ引きは座席アルファベットプラス座席番号10の位プラス座席番号1の位、という形で行っていましたが、スペースゼロでは入場者のチケットの半券を谷山さんが引くという形式になりました。なるほどこれなら空席が当たることもないわけですね(ちなみに平日で客の入りが少ないと谷山さんが事前に情報を流しておられましたが、一生懸命駆けつけたファンのおかげでほぼ満席でした。が、やはり平日の悲しさ、会場にたどり着くのに時間のかかる人というのも確実にいるのです…ああ他人事じゃない…)。9列4番、8列7番、9列15番と近い席の人たちが当たっていました。谷山さんが照明さんと音響さんに曲の解説をするのが毎度楽しみですが、「時の少女」の説明が「目も鼻も口もない女の子が河でにたりと笑っている歌」…これで照明と音響の効果を決められたらすごいです…。残る2曲は「ゆっくりしっとり」、「夜だけど明るい、割と派手」と順当なご指示。「ここにいるよ」は「イントロとか適当で」と、舞台上の密談がまるぎこえ状態でございましたが。「ハサミトギ」はやまをかけて練習しておられたそうですが、「だからってできるとは限らない」と保険な台詞。大丈夫かなできるかな、と客席が手に汗握る中演奏スタート。

 それでもプロの演奏を完遂される当たりがこの方たちですね。「ハサミトギ」は練習の成果が顕著でした。照明さんもやまをかけておられたのでしょうか、ファイトあふれる7色の照明効果を楽しませてくださいました。この曲を待っていた客席の人たちの手拍子も、ぶっつけでしたがばっちりでした。続く「探せコーナー」は、谷山さんが10項目の条件を出し、それに当てはまる項目数が一番多い方にリクエスト権が行くという恒例コーナーです。この日のお題は「体の弱い人を探せ」。条件は上に記載したとおりでしたが、なんとリクエスト権獲得の方は、10項目全部該当されているという。実際病院通い中でいらっしゃるとのことで、「ここにいらしてて大丈夫なのかしら」と違う意味でどきどき…。リクエストは「風のたてがみ」。譜面も打ち込みもあって危なげない演奏でした。とても好きな曲なので、生で聞く機会を作ってくれたリクエスト者さんに心から感謝をささげました。自分と同じ曲を好きな方には、本当に親近感を覚えます。

 続いては○×クイズ。起立の上で谷山さんの出題に答え、はずれたら着席。最後まで残った方にリクエスト権が行きます。私は2番目で外れたのですが、よく考えるとこれはチャンスな企画。ほとんどのリクエストに必要なのは運です。たまたまリクエスト条件に合っていたとか、じゃんけんで勝ち残るなどという場合は、くじ運の量が人より少ない私などにはなかなかめぐってきません。が、これなら、ある程度の薀蓄知識があれば自力でリクエストを勝ち取れる! ということに座ってから気が付いて、よし明日はと誓いを新たにしたのでした。座った後も小さくクイズに参加していましたが、3つ外したのでどうしたところで負けでしたが ^_^;) 堂々勝ち残った3名様によりリクエスト。さすがにこのクイズで勝ち残る人は、知識と比例してファンとしての年輪を重ねていらしたようで、なかなか…というかかなり盲点をついたリクエストをされていました。「永遠のたそがれ」は、曲名を言われた瞬間、リクエストを取る谷山さんの空気が一瞬凍りついていたように見えました ^_^;) 後のMCでおっしゃったところでは、提供曲で自分では歌っていない上、作曲が他人でしかも崎谷さん、すなわち「難しい」という条件がてんこもりだったとのことです。「ひばり」「永遠〜」とも演奏中、心の中でエールを送らせていただきました ^_^;)

 オールリクエストで唯一悲しい点は、リクエストを取るのにどうしても時間がかかるので、演奏曲数が少なくなるということ。楽しい時間はあっという間で、ラストは待ったなしの一本勝負、全員じゃんけん。といってもじゃんけんの相手は谷山さん。起立の上じゃんけんをして負けるかあいこだと着席、これまた最後まで残ったお二人がリクエスト。私? 初戦敗退です…誰かくじ運分けてくださいな〜。「ガラスの巨人」はネコさんに渡された譜面と谷山さんの弾いたキーが違っていたらしく、演奏後「いじめだー」と拗ねておられました。まるで気づかなかったのですが、AQさんの譜面も違っていたそうで、「(それでも合わせて演奏したので)アマデウスと呼んであげよう」と谷山さん。この日のリクエストはすべて終わり、ちゃんと練習した曲を出来るということからでしょうか、お三方とも重荷をどかっと下ろしたような表情でいらっしゃいました。

 悲しみの時計少女ではじまりSAKANA GIRLで締める、というのは…閉じた世界の中を漂うような雰囲気で、よく考えると怖いような。けれどこの感覚は常習性のある薬のようで、やめることが出来ません。今日はりくえすとできなかったけれど、ふ、まだ明日があるわ。あるあるったらある。さあその前に風邪をなおさなきゃ〜。




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