休前休日以外の遠方コンサートは避けております。なぜなら移動がしんどいから。けれどこの秋、ツアー日程に土曜日が…ない1回もない。てなわけで「会社を休まず大阪と仙台に行く」暴挙を実行いたしました。ON AIR OSAKAはかつての梅田HEAT BEAT。谷山さんでは初めてですが、何度か他のアーティストのライブで来たことがありました。改装後初めてだと楽しみに参りましたがあまり変わらず。要するに居抜きでしたのね。
ちょっとステージから遠い席で谷山さんが遠い〜。はじめから谷山さんとAQさんのお二人でご登場、「銀河通信」です。下から照らす水色の照明の中、声が少々かすれていて、風邪を引いておられるのかと思いましたが緊張気味だったためのよう。MCでは「リラックスして聞いてください。私はすごくきんちょうしてます」と…。「前は梅田HEAT BEATだったけど、あんまり変わってない?」という谷山さんに「見違えるくらいON AIR OSAKAだよ」とAQさん。どこらへんが違うのか私いまいちわかりません〜。あ、そういや入り口の看板が変わってたか。
「しっとり始まったのでしばらくはしっとりめです。次のテーマは「会えない」です」のチョイス2曲は言葉たがわぬ演奏。「さよならのかわりに」は、オレンジのピンスポット照明が段々夕日のように広がっていき、とても綺麗でした。続いてはラジオドラマのテーマ曲「神様」。読んで印象に残ったもやもやっとしたものを形にしたので、原作とちょっと違うとのことですが、私ラジオ聞いてなかったのでなんとも ^_^;) 「仇」は神様と並べたらかっこいいタイトルだという基準で選んだとのことで笑いを取っていましたが、演奏はどちらもシリアス。神様を感動的に歌い上げ、そのまま仇のイントロへとつなげます。ピアノと低音管楽器のシンセ。シンプルと思いきや、間奏にいたって多重な音の塊がどっとおそってきました。歌の迫力と音の圧力を、赤い血のようなライトが支えます。時折緑の照明がアクセントを添え、みごとなステージング。終了後の拍手はなかなか鳴り止みませんでした。
リクエストコーナーはこの日誕生日の人がいらっしゃらず、半年ずらして5月24日と3ヶ月ずらして2月24日もいらっしゃらず、結局8月24日がお二人ヒット。最初の人の最初のリクエストは聞こえなかったのですが、「いや。絶対いや」という谷山さんのお言葉でパスとなり「愛をもう一度」。二人目は「吟遊詩人の森」でした。さらにもう1曲ということで、「名前がON AIR OSAKAに一番近い人」。かがみさんが該当され、「ふたり」をリクエストされましたが、やはりへんこうとなり「ここにいるよ」。なんだか提供曲ばかりだなーと思っていましたら、谷山さんも難しい表情。「広島ではSORAMIMIと王国と悪魔の絵本の歌だったんですよ。打ち込みが3曲ともあって、AQさんも参加できてツアー中最高の盛り上がりを見せたけど…今日はカルト」確かにそのへんの曲と比べてしまうと。「ステージ的にはすごくレア」との言葉に納得。AQさんは「俺は参加しません」と無情なお言葉。どこにいようかとおっしゃるのに、谷山さん「袖で踊っててください」。サポートもなし、「大丈夫かなあ…」と不安そうに演奏へ。…でもなんだかんだ言いつつまっとうに演奏してしまわれるあたりがさすがです。ピアノだけというシンプルな伴奏が似合う曲ばかりだったことも幸いでしたでしょうか。3曲終えた谷山さん、あからさまに肩の力を抜いていらっしゃいました。
AQさんが「手に汗かいたー」とおっしゃりつつ再登場。私も同感です。続いては「食べ物の歌」。「からだにすっごく悪そうです。ぜひ聴いて具合悪くなってください。なんせ食べるのがりんごとたんぽぽと人」…前二つは一発でわかりましたが、人? ってなんだろ(色々あるような)…と思ってたら「てんぷらさんらいず」でしたか。あれって人が食材だったのか〜。楽園のリンゴ売りではAQさんがコーラス担当。てんぷらは極彩色の照明が入れ替わり立ち代りステージを照らし、派手派手に盛り上がりました。
続けて谷山さん、前のほうの席のお子さんにマイクを向けてインタビュー。…ですが声がいまいち聞こえず ^_^;) 「じゃあ次はゆかちゃん(インタビューされたお嬢さん)のコーナーです。自分の中にいる小さい人に。いない人も眠っているだけです。たたき起こしてください」…小さい人向けのコーナー、よっしゃまっくら森! やはりこのイントロといい柔らかなメロディーと歌声といい、好きですわほんと…。そっくりハウスも歌い手と会場が一緒に楽しめて盛り上がります。よく考えるとどっちもすごく不条理な歌詞だと思うんですが。
続けてはラブソング。「今日は少なめなので」とのことですが、直前の3曲はともかく、みんなそれなりにすごい愛の歌のように思います。確かに直球ではないですけれども。悲しめな曲でしみじみ聞かせた後、「明るい前向きの曲が少ないので最後くらいは」と代表曲が続きます。「幸せなラブソングは、誰が聞いても100%幸せになるわけではありませんが、そういう人は未来を思い描いて」とピアノに向かわれます。いやラブのない人生でも、歌聴いてる分には幸せですよ〜と一人ものの突っ込みをいれさせてもらいつつ。
アンコールは「無事に帰れますようにと祈りつつ」の選曲。この後高速バスに乗って帰る私には、とてもありがたいお言葉でした。ちょっと早い開演でしたので終演も早く、おかげで22時のバスの乗車時刻までが長かったです。でも幸せをかみ締めつつ、「明日の仙台も!」と決意を新たにさせていただきました。