やたらとあったかい日でございました。2月だっつーのにコートを着てると暑くて暑くて。熊本バトルステージは商店街の中、ビルの上階にあるライブハウスです。待ち行列を作ったのはビルの前、商店街のアーケード下。でも少しも寒くありませんでした。谷山さんはオレンジのセーターと黒いプリーツスカート、黒いブーツで、冬仕様のご衣裳。けれどもやっぱり「あったかいどころの騒ぎじゃなくって、セーターを着ていられない」ということで、夏ばてだそうです ^_^;)
私はこのソロツアーは初参加ですが、谷山さんはここまでに佐賀や岡山などでツアー済み。1曲目からリラックスしたムードです。昨年も熊本の別の場所でライブをしていますが、そこと打って変わった名前のライブハウスで、「ピアノがぼこぼこになってるんじゃないか」と不安でいらしたそうな ^_^;) 「でもちゃんとした音の出るピアノで、なんでバトルなのかわかりませんが…人生はバトルだし」と無理に落ちをつけておられました。1曲目は夏ばてから、夏にちなんだ選曲。2曲目からは「くまもと」にちなんで、「く」「ま」「も」「と」がつく曲でした。去年は馬刺しにちなんだ歌だったそうで…馬が出てくる歌は色々ありますが ^_^;) まずは「くま」、今年は怖い歌と、幻想的で美しい曲から。まっくら森は安心して聞き惚れられます。つづけて「もと」…「鳥は鳥に」は、今日中に鳥の歌を歌っておかないとということで選んだそうで ^_^;) 日本各地で鳥インフルエンザが猛威を振るっている昨今です。ちなみに後のMCで、今回の熊本でやろうと思って没にしたネタを聞かせてくださいました。「からしレンコンで、悲しみの時計少女と催眠レインコート」。没ネタでOKです。この2曲を笑いながら聞くのはいや。
リクエストは素直に、「熊本県内在住者または通勤者でリクエストしたい人」でした。彼女の応援? で挙手した男性が「風になれ」、続く女性(別の席)が「恋するニワトリ」、気合の入った女性が「さかなの言葉」、ラストまた男の人で最後列に座っている人が「カントリーガール」。リクエストされたときの谷山さんのリアクションも面白いです。さかなの言葉をリクエストされて、「気合が入ってたのに淡々とした曲」とちょっと意外そうでした。気合の入った人がリクエストするのは恋愛系とか情念系(?)が多いそうです。曲順は曲の内容ではなく、谷山さんがご自分で「演奏するのに怖い順」でグラデーションでした。でもすごくまともなラインナップだと思いました。風邪気味で喉がやばいとおっしゃってましたが、逆にかすれ気味のところが色っぽいです。「恋するニワトリ」は、みんなの歌が放送されたときNHKに電話がかかってきて、「(アニメーションのラストで)ひよこがいるのはなぜ?」と聞かれたそうです ^_^;) 確かに一人で生んだなら無精卵ですが、谷山さんは「あのひよこは、ニワトリの脳内ひよこだと思っていた」そうです。確かに歌詞にはひよこ出てきませんし。
ここから後半戦。まずは「宇宙の子供」コーナー。ツアー中ずっと同じ曲だとつまらないので、アルバムの顔の曲や「え?」と言う曲を組み合わせてやっているそうです。「卵」は一人でやるのは初だそうで、…ピアノ一人弾き語りだとものすごくものすごく切実な感じがするのは気のせいですか〜。怖かった…。「神様」はラジオドラマのエンディングテーマですが、ドラマのプロデューサーの松本さんは最近なくなられました。谷山さんはAQさんと「まつもっちのばか」「これからなのに」と惜しまれたそうです。淡々と話されてましたが、残念さが伝わってきて私も寂しくなりました。
続けてはラブソング。谷山さんの恋愛論スタート。「恋とは切ないものですが、愛の本質は恋愛も家族愛も同じ。それにしても恋愛は切ない」…ということで、切ないラブソング。まず女の子の歌、続けて似た状況の男の子の歌です。どちらの曲もピアノ一本で聞くと本当に切ない。声が微妙にかすれ気味なあたりがすでに演出効果…。浸りたい人におすすめでした。
続けてはファンタジー系の歌。今日は「そっち方面のファンのために」と、よりによってソロライブで「王国」…チャレンジャーですわ谷山さん。ファイト。歌い上げ系の「王国」と、お口直しの「安らぎの指輪」。共通点はファンタジーでRPGみたいなところだそうです。MCによると、ファンの人に、「王国はデスピサロの歌ですね」といわれたことがあるそうです。私はドラクエやったことがありますので「あーちょっと似てるかも」と思いましたが、知らない人は「何それ」ですね…。「安らぎの指輪」も杉本りえさんから注文が来たとき、「RPGに出てくるヒールリングで」とわざわざ指定してあったそうで、ゲーム世代だなあと感じました。
ピアノというのはもともとオールマイティな楽器ですが、「王国」でこれだけできるのってすごいわ…。だんだんだん! とたたきつけるような、それでいてメロディはきっちり捕えた間奏アレンジが秀逸でした。照明で視界が真っ赤で落ち着きませんでしたが ^_^;)
お客さんのオーラが歌いやすい、という谷山さん。懐かしい曲で本編を締めました。アンコールは「ピアノで歌うのは初めて」という「僕は帰る きっと帰る」。「自宅とか宿泊先とかに帰れるように、パワーをあげます」とのことで、きっちり受け取らせていただきました。ありがとうございます。