谷山浩子 猫森集会 Aプログラム1日目

04/09/18 新宿スペースゼロ Open18:30 Start19:10 End21:15
出演:谷山浩子(Vo,Pf),石井AQ(Syn),岡崎倫典(G)



曲目

  1. まっくら森の歌
  2. MOON SONG
  3. きみはたんぽぽ
  4. さよならのかわりに
  5. 片恋の唄
  6. 恋するニワトリ
  7. LADY DAISY
  8. 鳥籠姫
  9. キャンディーヌ
  10. 七角錐の少女
  11. 催眠レインコート
  12. 骨の駅
  13. 世界一不幸なトナカイ
  14. カイの迷宮
  15. よその子

アンコール

  1. 裸足のきみを僕が知ってる
  2. カントリーガール



 今年も参りました絶賛お楽しみ企画週間。毎回多彩なゲストを迎えての4プログラム、今回は期間中土日祝日が多く、会場到着までの道のりで悩まずにすんだのがラッキーでした。今回は直前に発売したCDに歌がなかったので、いわゆる「予想曲」がなし。どんな構成になるのかも注目点です。

 まず冒頭、谷山さんと倫展さんがお二人でご登場。谷山さんは若草色のセーター、胸にお花のワンポイントと、スカートも大きめの花模様、茶色のサンダルっぽい靴といういでたち。対する倫典さんは白のシャツと黒のスラックスで、シンプルこの上ないカラーリングが格好良かったです。

 まず始めの2曲は、谷山さんのコンサートには珍しく、ピアノ無し倫典さんのギター伴奏での演奏でした。谷山さんがホール中央に立たれ、お二人にスポットライトが当たります。歌詞カードはなし。この選曲にこの演奏…。すでに「まっくら森」のイントロでめまってましたわ私。美しい。しっとりと切ない弦の旋律、澄んで広がっていく歌。8日間のつかみはオッケー! という演奏でした。「MOON SONG」では谷山さんは歌う方向を180度転換。前方位型コンサートに対する気遣いが感じられます。

 拍手の中AQさんがご登場。ネコ森集会の説明がここではいるのはいつものことながら、何故か曲の紹介をお忘れになったようです ^_^;) AQさんも黒のシャツで、相変わらず個性的な帽子でご登場。あとで「チロリアンハット」と言われていました。

 続く3曲もピアノ無し。励ましソングが続きます。谷山さんはここで中央の椅子に座られ、男性人お二人に見守られる(?)形で歌われました。相変わらず歌詞カードはなし。こういう場合の谷山さんは、歌詞がうんぬんではなく、視線をどこに定めるかで少々迷われるような感じがします。

 「さよならのかわりに」を美しく歌い上げた後、少しの間を置いて慌てて立ち上がる谷山さん。するといきなり青いスポットが。もしかしてこの次立たれるのを一瞬失念されていたのでしょうか ^_^;) 次は第七官界方向の劇中歌から。色々と「世の中には色々な人がいるのね」と言いたくなるお話なのですが、劇の流れに沿って登場人物のことを考えながら聞くのと、こうして単品で聞くのではかなり印象が違いました。切なくて綺麗な歌です。

 ここから谷山さんがピアノの前に移動されました。倫典さんとの思い出の曲2曲。「恋するニワトリ」が初アレンジで、「LADY DAISY」が初仕事のギターだったそうです。視線が定まって落ち着いた印象の谷山さん、このあたりからリラックスした表情になってこられました。AQさんがアコーディオン演奏。曲と一緒になって体を揺らしている図がなんとも…微笑ましいって言ったら失礼かしら。

 珍しく倫典さんが曲に対して持っているイメージというのを聞かせてくださいました。ニワトリのほうは原色のトサカのイメージで、LADY DAISYは透き通ったイメージだそうです。ニワトリに「どすん」って言う印象を持つ人も珍しそう ^_^;)

 ここからは、「1曲ごとにこれでコンサートが終わるという曲が」と谷山さん。Aプロでアコギで、と苦笑されていましたが、倫展さんなら大丈夫。続く3曲は、「女の子が出てくる歌です。どの子もヘン。…友達になりたくない」って確かにそうかも知れませんが。すごいまとめ方です。キャンディーヌもはじけた演奏でしたが、「七角錐」がすごかった。ギターの間奏、一音ずつ固定されているはずの弦で、どうしてこんなに滑らかで切実な音が出るんでしょう。歌い上げる声の最後をシンセが綺麗に締めて、これはたしかにここでコンサート終わってもおかしくないわとため息をつかせていただきました。

 続いては倫展さんと語ろうのコーナー。前身はハードロックをやっていたというお話、なんとなく納得します。今だって十分ハードな演奏…。

 さらに2曲、「できればこんな目にあいたくない」コーナー。この2曲続けて聞くと、なんだか本気で怖いんですが…。大災害の後に屍累々と言う感じで。谷山さんの声が切実さをさらに一層増してくれます。怖いです。ここでコンサート終わったら夢に見そう。

 初めてスペースゼロを使った「幻想図書館」の「雪の女王」から2曲。まとめてマイナーコードの曲が来ると圧倒されます。「カイの迷宮」の方、イントロの雪が降ってくる音から歌の出だしへのつなぎが本当に好き。これはシンセがとても美しい。

 ラストの曲、倫典さんは「曲を見たとき「嘘」と思った。重さを感じました」とのこと。8分の大曲「よその子」です。これも前向きな歌に数えていいと思うんですが、本編のラストを締めくくる曲としての位置を確立しつつありますね。

 アンコールはこの日2曲。豪華! 「裸足の君」はちょうど聞きたかったのでラッキーでした。「カントリーガール」、こちらのギターは素朴な印象。終わると万雷の拍手でした。

 物販のグッズ、実はパンフ以外買ったことがありません。私は甘いもの苦手なんですが、のこちゃんおせんべとか出ないものかしら。




[谷山浩子] [音楽のページ] [ことのはのもり]