手を変え品を変えのBプログラム開始。曲目がちょっとつぼにあたりまして、もともと初日だけのはずだったのに2日目も行ってしまいました。なので2日分混合での感想文になります。
まずは谷山さんお一人で、ピアノのみのアレンジの「DOOR」。シンセ無しが新鮮な印象です。「Aプロは重いのをやってしまって、Bプロは懐かしい曲が多いです」と今日の内容紹介。古い曲といっても、少し古いかとっても古いかで結構違いますね ^_^;)
AQさん登場、続く3曲は1日目のMCでは「テーマ無し」。ということでしたが、Bプロ1日目のアンケートで「テーマは「見つめている」ではないか?」と指摘があったとのこと。なるほど鋭い〜。温かいファンタジー系の曲が続き、シンセの音に和みます。
この後ゲストの入場。篠笛奏者兼和楽器系パーカッショニストの狩野さん。白いジャケットと黒いTシャツ。今回の猫森のゲストさんは、ご衣裳がモノトーン縛りでいらっしゃるようです。今回は笛がメインなので、歓迎の意をこめた選曲「笛吹き」。イントロの低音のアレンジが大変かっこいい。狩野さんもさっそく篠笛で参加。間奏で高低差をつけた笛の音色、切るような曲調にあわせて哀切さをかもし出し、さすがにプロという感じです。
しかし楽器の印象にそぐわず、狩野さんは大変よくお話なさる方でした ^_^;) まず音楽暦をご披露くださいました。「鼓童」という和太鼓のグループ出身でおられるのですが、最初はジャズドラムをなさっておられたそうです。勉強にアメリカに行って、そこで何故かアメリカ人が演奏する和楽器に出会い、触発されてこっちの道に進まれたとか。2日目にもうちょっと詳しくお話くださったところでは、まず幼少期にピアノ。続いて吹奏楽部。そこからハードロックに行き、ジャズドラムに行き、現在たどり着いているのが笛、という状況でしょうか。ピアノはバイエルが終わらなかったそうで、これは先生の影響でいらっしゃるそうです ^_^;) 型にはめられそうになるのがお嫌なようです。
続いては「会う前に見た狩野さんの写真のイメージで」選んだという植物の歌2曲。確かに写真の狩野さんは渋い…。「もみの木」は狩野さんはパーカッション。「ほおずきランプ」は篠笛。素朴さが歌にマッチしていて良い感じ。サビの部分の歌とのかけ合わせは、谷山さんの声も気分よさそうでした。
続いては「狩野さんと話そう」のコーナー。鼓童の活動についてのお話でした。鼓童は佐渡本拠の団体ですが、しばらくは廃校で合宿をしていたそうです(私これ最初聞いたとき、「廃坑」と漢字変換してびびってしまった…)。大変体育会系な練習風景。
続く3曲のテーマは「あやかし」。「練習してやるのが四半世紀ぶり」の曲もあるとのことで期待が高まります。で、これがこの日一番の白眉でした。和の世界のあやかしに和楽器、なんてすばらしいはまりっぷり…!(感涙) 「鬼こごめ」では能管が使われました。後のMCで詳しく話してくださいましたが、篠笛はドレミにチューニング可能ですが能管はそれができないため、音がドレミの音階の真中をつかないのです。これがいい! どこか危うく妖しげに、耽美の世界にさあはまれといわんばかりの音色。四半世紀ぶりの「やまわろ」はポップに。私もこれだけの回数コンサートに来ていて、生で聞くのは初めてでした。びっくり。
MCで能管の音を童謡の「七つの子」で聞かせてくださったのですが、怖いことこの上なし…。佐渡では民間芸能としての能が盛んなので、狩野さんも土地の方にずいぶん鍛えられたそうです。
鍛えられたといえば、鼓童の活動の数々がまた面白く語られて ^_^;) 年間100公演、海外でも活躍されるグループですので、たくさんの感動や交流とともにハプニングもあるんですね。3000枚だかソールドアウトしたコンサートに、手違いで太鼓が届かないというエピソード、笑い事じゃないと思うんですが笑わせていただきました ^_^;) (仕方ないのでそのまま幕を開いて手と口でパフォーマンスし、太鼓が届いたらもうお祭り騒ぎだったとか…ちょっと見てみたいかもしれない…)。ほかにアフリカのマリの奥地まで演奏に行ったときの話など。水に赤チンを入れると簡単に殺菌できるので、お食事も飲み水も赤チンの匂いがしていたという話とか(演奏は?…愚問かしら)
とにかくこの両日は、狩野さんの話題の豊富さが印象に残りまくってます。とてもたくさんお話されていたのに、メモを見直してみると2日間音楽歴以外ほとんど話題が被ってなかったようで、すばらしい。「オールリクエストもできるかも」と谷山さん。出来そうな感じですね〜。実現したら面白そう。
続いて「水の歌」3曲。水の持つイメージのためか、しっとりした印象です。「リズムが吸い付いてくる」と谷山さん。演奏する側の気分のよさが伝わってくるんでしょうか、聞いていてもとてもリラックスできました。「演奏するのに理論はいらない」と強調される狩野さん、やっぱり満足の行く出来でいらしたのではないかと。
水に続いては風。こちらは狩野さんは主にパーカッションでの参加です。考えてみると谷山さんのコンサートのゲストは旋律系の方が多いので、シンセではないパーカッションの援護射撃は新鮮です。「風になれ」では風の音の効果音を出す楽器から篠笛にチェンジ。やっぱり音色に一番合う曲を選ばれたのでしょうか?
最後は「狩野さんが一番喜んだ曲」とのこと。パーカッショニストは皆様パフォーマーでいらっしゃいますが、狩野さんも真骨頂! 種々雑多な「音の出るもの」を各種取り揃え、ワンセクションごとに次々と繰り出してきます。初日のアンケートで「明日に期待」されたので、2日目にはわざわざドンキのおもちゃコーナーまで ^_^;) 買い足しに行かれたそうです。もちろん大部分はパーカッション用の楽器なのですが、打楽器は「音の出るものは全部楽器」という認識が通用しますので、大変にぎやかなことに。子供用の笛(ホイッスルとか伸び縮みするのとか)、ビニールのパイプ(振り回して音をたてる)、からころからころ鳴る木製(竹製?)のおもちゃ、などなどなど。面白かったー。
アンコールは「第七官界」のテーマソング。「恋人に」というタイトルになったそうで、CD化が待たれます。
今回ゲスト様の個性は毎度楽しみの一つですが、今回は大変強烈でした。楽器の種類・演奏内容の多彩さは群を抜いておられると思います。またのお越しも楽しみですー。ぜひオールリクエストに!