暖冬で12月なのに雪がない北陸。金沢21世紀美術館は個性的な建物でした。平たい円柱形、というよりほとんどホールケーキで、中央部が作品展示室、周囲にカフェや図書室、無料開放のホールなどがあります。外壁にはガラスを多用。演奏用のホールは、入り口は地下にありますが、上部は1階まで伸びています。要するに2階建ての高さ。しかも上階突き抜け分はやはりガラス張りです。カーテンが閉められていましたが、空いていたら1階からコンサートが見えたことでしょう。最前列は舞台と地続きで同じ高さ。椅子は階段状に高く上がり、ステージを見下ろす形になっていました。スクリーンと思しき布も用意してあります。
谷山さんは袖の黒い長めの上衣と大きな花の絵のスカートでご登場。「風になれ」では、背景のスクリーンが縦長に伸び、空の映像を映してくれました。「気持ち良いホールです。住みたいくらい気持ちが良い」と谷山さん。前日公演のあった福井のお客さんから、アンケートで(?)歌うよう指示されたという「MAY」と、「鳥は鳥に」。
この日は休憩がありますと事前告知。手嶌さんがいらっしゃるときは前半後半切り易いですね。続いてはデモテープで歌ったことのある曲。「ねこねこでんわ」は、YAMAHAの音楽教室用の曲で、3歳から5歳児のもの。仔猫が電話をかけると、思いも寄らない様々な場所に繋がってしまう、という歌で、大変かわいらしいのですが…しかし谷山さん。MCで歌の余韻を壊すのはやめてくださいませ。サンタに電話して「トナカイのシチュー」を食べてますなんて返答を聞いたらお子様は泣きますよ…。リクエストコーナーは勢いで3曲。おお、定番の曲が並びましたね。
10分休憩の後ゲストさん登場。手嶌さんはもう谷山さんのコンサートのゲストとしてなじまれましたね。音楽のルーツはゴスペルで、よく聞く人はフィっツジェラルドだそうです。お友達と話が合うかと聞かれて「合いません」…ああこのテンポが好きだわ〜。「テルーの唄」と「岸を離れる日」を披露されました。
モンティ・パイソンの2曲と紅マグロ。「フィンランド」は9月にやったときと同様、客席から微妙に笑いが出ていました。紅マグロはもう完璧に定番ですね〜。こちらのピアノがベーゼンドルファーだそうで、音に満足そうな谷山さん。続く2曲は孤独をテーマにした曲。片思いの孤独と家族のいない孤独、共通しているのは「言える相手がいない」ことでしょうか。そう思いながら聞くと感慨深いものが。
猫の森で明るく本編を締めた後、アンコール「ポプラポプラ」で終了。建物自体が現代アートの美術館での企画、コンサートと共に楽しむことが出来ました。またここでコンサートがあると嬉しいな。