上記曲順は、マーシュ・マロウのサイトより転載いたしました(曲名がわからないものが多かったので…)。
私はチケットを手に入れ損ね、最終的にYahooオークションに手を染める事態と相成りました。不覚…。でも売り手の方が気を使ってくださって、結局定価で入手することができました。当日は開演ぎりぎりに品川駅に到着。しかも途中で道に迷ったため、最初の1曲は聞けませんでした。余談ですが、私とまったく同じルートで道を間違えた人が何人かいらしたらしく、きょろきょろしていたら工事現場の交通整理の方が向こうから声をかけて「教会に行く人でしょ? 道が一本違うよ」と教えてくださいました。感謝。最初の歩道橋の手前で道順を掲示してほしいところです。
1曲目の途中で教会につきましたが、曲が終わるまで玄関で待機。終わったところで中に入れていただけました。私にとって教会は十数年ぶり。今回の会場は、私が行ったことのある教会の中では最大です。大きなパイプオルガンのある、格調高い教会でした。
当然ながら私が入場したときは客電は落ちていて、通路も席も人人人。壁と柱の境目にそっと入り込みました。その中を空から音が降るようにリコーダーの音が響きます。教会の音響というのは下手なライブハウスよりはるかに良いので、大音響を出す楽器などでは逆効果。その点リコーダーはとてもはまっていました。心なしかMCは少なめ。場所柄を意識したのでしょうか、とても上品な印象をうける曲の多い構成でした。
使ってほしいと期待をかけていましたら、マーシュが応えてくれました。パイプオルガン。丸尾さんの独奏で、最初の1曲目から度肝を抜いてくださいます。続いて舞台中央に集まってのアカペラ、トーンチャイムを用いたシンプルなコーラスと続きます。やはりこちらも雰囲気を重視してか、いつもより落ち着いた、実験的要素の少ない構成でした。教会でやること自体がすでに実験だったのかもしれません。天から、右手から左手から、反響する音と声の調和。さまざまな楽器を駆使した演奏はいつもながらお見事でした。途中栗コーダーの方がサポートに入ったりもされていました。
芸達者集団が一緒になると、実に実に楽しい演奏になります。第三部はリコーダーと声のハーモニーに聞きほれるしかありませんでした。マーシュは声も楽器の一種類のような使い方をしますが、もしリコーダーを使うとなると声を同時には使えません。ここぞとばかり、という感じで、カルテットの多重音にマーシュのコーラスが重なります。拍手、ただもう、それだけ。
とにかく遅刻したのが悔やまれます。けれど教会であれほど美しい音楽を聞けたのだから、きっとこのあと数日は、神の恩寵を期待できる…と思いながら帰路につきました。耳の奥底に流れる音にとことん癒された一夜でした。