上記曲順曲名はAYUOさんのオフィシャルサイトより転載しました。特に記述していないものはAYUOさんと上野さんお二人による演奏です。
代官山クラシックスは地下1階にある小さいライブハウス。少々狭いですが地下にしては明るめでした。楽器類は最初から壇上に並び、ステージ向かって左がAYUOさん、右が上野さんでした。上野さんはこの日は赤系の髪を後ろで一本にしばり、ケープのついた黒づくめのワンピースと言う姿です。シックな感じでした。
予定より15分ほど遅れてスタート。ステージ背景の白い壁にCGの映像が映し出されます。第一部スタート。最初はAYUOさんのソロで英語詩朗読(?)つき。次のパートではAYUOさんがヴォーカルで上野さんがキーボード。お二人でヴォーカルと楽器各種を交互に担当された後、最後の「Insutinct」では上野さんが朗読と笛を担当されました。インプロの向きの強い曲で、上野さんの朗読は日本語も含まれていましたがタイトルなどわかりません ^_^;) 最初のこの曲で切れ目無しの40分間演奏。
「Cantigas」はAYUOさんがブズーキ、上野さんがヴォーカル。CDより低音伴奏がやや軽めの印象でしたが、上野さんの生ヴォイスの迫力がそのままベースも担当するかのような迫力。最前列で聞いていますと音のシャワーのようでした。
続く2曲はAYUOさんのソロ。この前のMCではAYUOさんによるスーフィー教(イスラム教の一派)の解説がありまして、3曲目はこのスーフィー教の考えに基づいた曲だと披露されていました。何だか中国の気功…って私のメモに書いてあるんですが細かい内容忘れました ^_^;) ギター一本の弾き語りです。4曲目は馴染みの曲でしたが、打ち込みもリズム隊もなし。Cantigasと同様、AYUOさんのお声が低音を支える印象でした。
休憩を挟んで上野さんのソロ。まず「Kyrie」、1000年くらい前の曲で、ヒルデガルド・フォン・ビンゲンというドイツの修道女の作曲した宗教音楽です。私はこの名前を「妻を帽子と間違えた男」と言う本で見かけたのですが、西洋音楽史上最初の女性作曲家だそうです。私の耳には讃美歌というよりは、素朴な民謡調の祈りの歌に聞こえました。続く曲はエドワード・リアによるナンセンス・ソング。なんとパンチカードを使う手回しの「打ち込みできるオルゴール」を、上野さんが自分で演奏しながら歌いました。前の日に思い付いて急遽カードを徹夜で作ったとかで、「人力カラオケです」との一言が笑いを取っていました。上野さんの手元ばかり見て、肝心の歌があんまり記憶に残ってません ^_^;)
ここでAYUOさんが戻られ、3曲続けて上野さんがメインの曲。「ナーサリー・チャイムス」からの2曲の選曲はちょっと意外でした。「ひばり」ではAYUOさんの弦と、上野さんの一風変わった小さなドラム(…なんだろう?)を掛け合わせるようにコミカルに。MCを挟んで「体で愛して」はVita Novaから。上野さんのお声と視線が色っぽく、聞き惚れました。
ラストの曲では演奏直前に譜面台が墜落して予期せぬ笑いと焦りを生んでいましたが、曲が始まると即座にひきこまれました。Vita Novaの曲二つが対になるように、あるいは寄せて返す並みのようにバランス良く美しくアレンジされてひたすらうっとり…。もうこの曲でおなか一杯と言う感じ。
電子音を従、声と素朴な弦を主としたアレンジが主になったライブで、とても居心地良く感じました。幸せな2時間半でした。MCで「毎月ライブをやったので、もう今年はいいかな」と上野さんがおっしゃったのですが、お願いだからやってください〜。お待ちしてます。