WJ封神演義感想 19巻








2000/04/09
WJ9号
第169回
牧野の戦い 8
―――終結―――

 あれだけ暴れてたのに服は無事なのね、という突っ込みはしちゃいけないかしらやっぱり。膝を抱えてうずくまる紂王、年齢も姿も元に戻りました。なんとなく安心。やっぱキングコングのままじゃあんまりですので。

 首を取ろうと飛び出す一同の前に、またしてもあの暗黒グレイが…。王天君、生きてたんだね。もう最近、決着直前安心しそうになるとあなたが出てくるのが私の心情的に当たり前になっちゃって、ああ慣れって怖いわーと思ってます。表紙にいるのは今回参戦した道士の人たちね。…ナタクの兄ちゃんズはいずこ。

 紂下の朝歌帰還。お膝元のはずの王都の姿に、この時はじめて気づかされたのでしょうか。禁城ではなく城下に紂王を放り出した王天君の意図を知りたいところ…。いや知らない方が身の為か。それにしても、よく心のまっすぐなお嬢ちゃんのところに誂えたように行ったもんです。母娘との出会いを経て、うつろな目で城に戻る陛下、ひとり玉座に座します。ああ、なんだか痛々しい…。

 一方牧野では、紂王追撃を言い募る天化くんに、師叔の「それはいかん」の一言。ああ、まだ邑姜ちゃんが肩貸してくれてるわ〜嬉しいなあ。発も怪我してるっつーのに働いてます。王らしくなったねえ、と思うと、師叔が簡略顔で「キャラがえらくかわったのう…」ってそりゃないでしょう。以前「成長したのう」とか言って誉めてくれてたくせに〜。でも確かに「つい最近までアホ丸出し」だったけどね。

 …んなこと言ってる場合じゃないっ! それはわかってるんだけど、現実からダッシュかけて逃げたい状況なんですようっ! 天化くん、やっぱり傷が〜傷が〜きーずーが〜。怖くて仕様がないっすよもう…。無理しないでって言ったのにいいいい。



2000/01/24
WJ8号
第168回
牧野の戦い 7
―――紂王、牧野に孤立を知る―――

 また思わせぶりに「世捨て人歴40年の翁」っていうから何だと思えば、「孫よ」。世を捨ててないと思います。とまれ山に築かれていた邑を、ナタクと武吉変化バージョン楊ゼンが救出。ああナタク成長して…(しつこい)。その二人の向かう先、迫り来る紂王を迎え撃つコースに、天化くんが待ち受けます。「そんなのやってみなけりゃわからねえ!!」うんうん、らしいセリフだね。

 右手が双剣、左手が通常なのは動きやすさからかな? 瞬時に紂王の羽を切り、次いで手足も落とす天化くん、ナタクにも「あいつやはり強いな」と誉められてます。紂王の頭を足蹴にした天化くん、「あんたはもう天子じゃねえ! なぜなら誰もあんたを天子と思っちゃいねえからさ!」と、初めて紂王に対しきっぱり現実を述べます。「バカを言うな」って、紂王、あんた今まで知らんかったの? 「予は民全員に愛されている」…って、知らなかったんだねえ。で、なんでいきなりキングコングバージョン…。手足が再生して天化くんを思いっきり挟みます…うああっ血が〜血が〜。更に継がれた言葉にうろたえる紂王、天化くんを放り出し、兵士たちに向かって突進。殷の兵を捕らえて詰問する彼に、発が「周りを見てみな!」と一言。

 ここのシーンからの緊迫と静寂、人外の姿をした紂王が孤独を悟るまでの流れを余すところなく表現してお見事です。自分の民と思っていた者が自分に槍を向け、脅えた視線を向け、また自分の足元には自分が殺した民が転がっている。見回しても、自分に尊敬のまなざしを向ける民はなし。最後の砦だった妲己の姿もなく、紂王はただ叫び、うずくまるのみです。元は英邁であったはずの王、目隠しをされつづけてきた自分に気づき、その孤独はいかばかりでしょうか…。

 で、ラスト、邑姜ちゃんが師叔に肩を貸してくれてて嬉しかったわ。「見えなかったのか!? 自分の民の姿が!」って師叔もりりしいし。あと最後の発、なんで髭がないの〜。若返っちゃってまあ。



2000/01/24
WJ7号
第167回
牧野の戦い 6
―――湯王伝説の再現―――

 またしても封神とは関係ない話から。道潤おねーさん素敵ですわ〜。やっぱり戦う女性の華ってのは、筆舌に尽くし難いものがあります。

 苦戦を強いられるナタクと楊ゼン、対して怠けを極めつつある師叔に苛立ちを隠せない天化くん。岩につぶされるところを武吉くんに変化して対抗する楊ゼン、紂王に肉薄して拳をいれるのに成功―――しますが、殴る手の甲に傷が。今度は硬化かい。芸が増えるなあ紂王…。楊ゼンに続いてナタクが九竜神火トウで攻撃(できたんだねーこれ)あんど捕獲しますが、なんと仙界最硬の宝貝も破壊されてしまいました。

 楊ゼンもここで紂王の強さが増していることに気づきます。そして思い起こす湯王伝説。殷王家の始祖の古事にならい、紂王を止める手立てを講ずる楊ゼン。ナタクが話を素直に聞いているのが意外。楊ゼンが変化したのは、おおっ殷郊! 自分の子供の声で元に戻るか、と期待されましたが―――「誰だおまえーっ!!?」…駄目でした。「子ではなく母に化けるべきだったな」というナタク、確かにあなた相手ならそうだわね。おまけに「おい! どうする?」ナタクが人に意見を尋ねるとは…! おねーさん感動で涙が(んな場合じゃないけどさ)。

 撤退する二人とバケモノ化著しい中央に、悲壮感漂う戦場。ここでとうとう天化くんがキレました。「親父やコーチもやっぱこの人に見殺しに」って…それは言っちゃいけないよ〜天化くん〜。しかし師叔もぼろぼろなのでした…その鼻血は怖いっすよ師叔。「道士としてはそんなに才能がないのにムチャする」という言葉、スープーくん、そりゃそうかも知れんがぜひ歯には衣を着せてくれ。そして結局ひとりで出陣の天化くん。無理しないでねーっ。



2000/01/05
WJ5・6号
第166回
歴史の道標 二
―――封神計画の真相!―――

 申公豹推理編驀進中。妹喜時代の妲己ちゃんも美人さんですね。同一人物なんだから当たり前ですが。それにしても、ジョカ様と妹喜二人だけの会話のセリフを、どうして申公豹が知ってるのかが謎だ…。

 仙界大戦中の聞太師の不審な言動の理由がようやく明らかになりました。結構大勢気がついてたんですね。趙公明、ほんとにまじでトレヴィアンな感覚(うーんうーん)でいらしたのね〜。「クイーン・ジョーカーII世号」。I世はジョカ様なわけね…。妲己ちゃんはジョカ様の命で金鰲を抜けたのかと思ってましたが、ジョカ様と会う方が後だったんですね。ところでこの背景の各キャラ年表、やっぱり申公豹が書いたんでしょうか。師叔の年表、楊ゼンの上の「〜と出会う」は、やっぱりナタクかな? 個人的にスープーくんか武成王だと嬉しいけど。それにしても、妲己ちゃんの炮烙やらタイ盆やら酒池肉林やらを、「自然な滅亡を演出」だの「多少のやりすぎ」だの「光り輝いてるわねん」だのと言われると、この時代にいたら確実に死に行く民衆モブシーンの点になってしまうだろう私としてはさすがに複雑…。

 三大仙人の会談風景、まじめな顔の元始天尊と通天教主をほっといて、変わらずキングオブ怠惰な太上老君。この方はやっぱり、特に封神計画の黒幕というわけではないんですね。過去を回想する元始天尊、おおっ昔は若い(当たり前だってば)! 頭のてっぺんに髪がある! 「落ち着け元始天尊!」って、落ち着いてないのはあなたです通天教主。そして太上老君を除くお二人は、歴史と人心を勝手に動かされることに耐えかねて、ジョカ様と妲己ちゃんを排除する計画を立てるに至ったわけですね。それが封神計画であると。

 …事情はとりあえずわかったような気がします、が、別に師叔に事情を説明したっていいじゃないのよ。妲己ちゃんを憎む心ごと封神計画に利用する必要があったんでしょうが、師叔なら理路整然とジョカ様に対することが可能だと思います〜。あの呆然とした呂望くんの顔が切ないです…。そして師叔にも増して利用され度ナンバーワンの紂王、申公豹に憐れみの言葉を吐かれているとも知らずに「えっへん!」という顔をしているあたりがまたかわいそうです。結局一部を除いた皆さん、ジョカ様を滅ぼそうとしながら掌で躍らされてる状態な訳ですね。

 けれどもこのままじゃ終わらなさそうな妲己ちゃんと師叔。特に妲己ちゃん、これからどんな働きを見せてくれるか楽しみですわ〜。主役が怠け中だしね〜。



1999/12/31
WJ3・4号
第165回
歴史の道標 一
―――砂の城―――

 MMR(講談社)。ムー(学研)。謎の超古代文明(新人物往来社)。デニケン。ゴルボフスキー。エトセトラエトセトラ…ああ私、結構この手の本読んでるなあ。

 封神演義と言う物語の世界背景、根幹を説明する章の始まり―――なんですけど、読みながら「ほんとにこう来たか〜」とびっくりしましたです。SFですねえ。昔あったことをなぞるだけで何が楽しいんですかジョカ様。でも申公豹がどうやってそれを知ったのかとか、妲己ちゃんはどうやって着替えてるんだろうかとか、そっちの方が気になる私。今回の見所は、冒頭のチアガール妲己ちゃんですわねん。というところで以下次号〜。



1999/12/31
WJ2号
第164回
牧野の戦い 5
―――湯王の因子―――

 …もうどうしようもないと言いますか何と言いますか。こめかみと背筋を這い回る気持ち悪さです紂王…。ようやく申公豹が進行表の本領を発揮してくださるようです。すでに牧野の戦いじゃない…。



1999/12/30
WJ52・53号
第163回
牧野の戦い 4
―――天子・紂王―――

 きーしょーくーわーるーいーっ。今回もうこの一言につきちゃいますよう。紂王改造されすぎ。いっちゃってる人のいっちゃってる顔を連続してみせつけられて、後半蝉玉ちゃんにシンクロ状態でした〜。

 タンデムしたまんまの発と邑姜ちゃんに心なごんだと思ったら、いきなり明後日の方向へいってしまった紂王が登場…怖いったらもう。妲己ちゃんはいつの間にやら象さんの上でのんびり。「ゴージャス・モード」って何それ…。それでも警戒を解かない師叔に、「あんたは本来怠け者さ!」と休みを促す御一同。「なるほど…」とすんなり休む師叔、対して紂王は笑い声まで「けけけけけ」と変化。この笑い方のどこに高貴なカリスマがあるっつーのよう。「あの紂王は普通じゃないっ!」「見りゃあわかるわよ…」最近楊ゼンと蝉玉ちゃん、漫才コンビですね。

 そして特訓の成果を見せる御一同。蝉玉ちゃん・韋護・雷震子と、三人三様のお得意攻撃、クリティカルヒット―――したのにノーダメージ! 背骨とか腰骨とか目一杯ねじくれてる状態から戻る紂王…「いゃああああああああっ!」蝉玉ちゃんその気持ちすんごくよくわかりますわ。ここでようやくナタクと楊ゼンが出るようです。先にある程度戦力を見てから出るあたり楊ゼンですね。天化くんは体力温存。突っ走って返り討ちパターンじゃないのね、偉いわ。あんまり無理しないでね〜。



1999/12/30
WJ51号
第162回
牧野の戦い 3
―――血縁―――

 今回もう、私のためとしか思えないお話の展開ですわっ! 発が目立ちまくりの上に発×邑姜!!!!! あああっ嬉しいよ〜もう感動の涙が滂沱と流れて止まりませんわ〜たーらりらたったらったった〜(喜びのあまり踊っている)

 …気を取り直して頭から参ります。なんかもう、異様なまでにかっこいい邑姜ちゃん…「それでも羌の戦士ですか!」うっとり〜くらくら〜…。嬉しいよう好みだよもうべたぼれですよ〜。竜吉様が出てこない悲しみをぶっ飛ばしてくださいます。ありがとう邑姜ちゃん! 師叔もびっくりしつつ、喜びと共に気合が入ります。ここで「邑姜ちゃんのためにもがんばるっス御主人!」というスープーくんがもう、何度も言いますが良い子で好きですわ。

 妲己ちゃんのお色気三割増と対等…ってすごくないかい。妲己ちゃん最大の敵は青少年育成条例か。べつにお色気増量しても、某I''sと同じ雑誌なんだから平気だと思うんだけど、そこはやっぱり封神演義だから仕方ないですね。

 正気に戻る周兵を叱咤する発ちゃん。刺された傷から「どぴゅー」っと血が(うああ)出てますが、王としての任を遂行してます…偉すぎる。あの楊ゼンですら気遣う傷だというのに騎乗して戦場を駆ける発の後ろへ、並走する馬から飛び移る邑姜ちゃん。開口一番「バカな人!」と一刀両断、しつつも手当てして「嫌いではないわ」…いい女の片鱗を窺わせるこの呼吸。別嬪さんですね〜。さすがにいい女には敏感な発ちゃん、「プリンちゃんまであと1年ってとこか」…1年で大丈夫かな? 師叔と外見はどっこいくらいな気がするんだけど、この時代は早婚だろうから1年で良いのかな。

 それにしても、確かにほっといていい傷じゃありませんが、単に包帯でぐるぐるまきにしただけで良い傷でもないような…と思っていたら、「どーでもいーけど、武王を死なすわけにはいかないな」と手をうつ楊ゼン。…どーでもいーけど…どーでもいーけど。発と邑姜ちゃんの会話に対するセリフだと思いたい。あの遠距離で声が届く武吉くん、便利ですね。彼にとっては「ひとっ走り」で行って帰れる距離だってあたりがまたすごい。

 タンデムで会話する発と邑姜ちゃん、羌族参戦の理由を語ります。そうか、師叔の妹さんは生き延びてたんですね。ほんとに、私の煩悩は別のところに置いといて、発と羌族とが仲良くやっていってくれると嬉しい。史実は強いから平気かな。

 師叔と発の頑張りが利いたか、盛り返す周軍と追いつめられる殷軍。そこでいきなりテンプテーションをやめる妲己ちゃん、言うに事欠いて「太公望ちゃんがいぢめる〜」って…いぢめっこはどっちですかい。さすがユカイ犯、ナイスですわ。声に応じてやってくる異様な一団…このうつろで無表情なマネキンみたいなおねーさんたちがかの巫女さんか? そして象の背に乗って登場したのは、久々の殷郊くん…じゃなくてパパ!? 若い! ついにラスボス登場しちゃいました。がんばれ師叔!



1999/12/28
WJ50号
第161回
牧野の戦い 2
―――大極図VS傾世元穰!―――

 関係のない話いきまーす。ジンがかわいかっこいいよう。これで11歳以下とは信じられん。

 騎影にて颯爽と登場の彼女―――ミニスカートと髪型でわかりやすいですね。彼女曰く「殷周革命最大最後の戦い」、戦闘開始です。周軍陣営、「あなたの腕の見せ所」と言われながら、いきなり指揮権を武王に投げる師叔。「天下に武王を知らしめよ!」言ってることはとても正しいが、遂行する側は大変そうです。これも信用の表れでしょうか。経験不足の発のために、ちゃんとマルヒアイテムとして戦争のマニュアルを用意してある師叔。いつのまに書いたのさ…は、もしやこれが六韜? 著者名、太公望アンドリューって、わかりやすい名前ですわね…。

 5分で覚えるのはさすがに無理とあって、カンニングしながら指示出しの発。蝉玉ちゃんもちょいと不安そうな…。上空から自己主張代放出の妲己ちゃんに対峙する太公望、「以前のようにはゆかぬぞ!」と啖呵を切ります。妲己ちゃんに目もくれずがり勉の発、以前とは別人のようですね〜。大極図展開、まずは武王が説得を試みますが、全然効きません。つーか、頭に矢が刺さったら普通死ぬよ発! なるほどそのターバンはヘルメットだったのか。

 つまり大極図が妲己ちゃんの能力に押されている、と言うことですが、妲己ちゃんも結構真剣な表情。「大きくなったわねん」とお約束の誉め言葉をつぶやきつつ、嬉しそうです。が、対する師叔は「老師のボケェ! 話がちゃうぞーっ!」ときたもんだ。地上では各人ができることをしています。事前にフォーメーションの訓練はしてたんでしょうね。寡兵を以って多数を討つ場合の基本手段、お見事。

 しかし妲己ちゃんに一般常識はなかなか通じません。お色気ポーズでパワーアップする宝貝って一体…。師叔が押されてます―――と、ええっ、発! なんで刺されてるの!? じゃなくて刺されてるよまじに槍が貫通してるよ! ちょっと待てい、ここで発にもしものことがあったら史実はどうなる! 絶体絶命のピンチ、に「ズガーン」と派手な効果音で突入してくる一団。おおっ邑姜ちゃん! 一番効果的な出番をねらっていたのね、りりしいわ! 大暴れして発を助けてちょうだいね〜。






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